先日、第38回 神奈川消化器内視鏡技師研究会に参加してきました。
今回の研究会ではコミュニケーションの大切さと多職種との連携について学ぶことが出来ました。
安心・安全な検査、治療を提供するためには、専門的知識・技術、各種業務の遂行、内視鏡室及び院内の環境整備だけではなく、患者情報の共有が大切になると感じました。
当院では鎮静剤使用の患者さんが多いため、検査中・検査後の患者情報を受付スタッフにも伝え、医師・看護師からの注意事項の指導だけではなく、待ち時間での声掛けや観察を行うようにし対応しております。
発表施設の中には、インカム導入が有効になったとしております。クリニックではありますが、当院でもインカムを導入しスタッフ間で情報共有を行っております。インカムを導入することで、スムーズな情報伝達(報告・連絡・相談)が出来るようになり、院内でスタッフを探さなくても的確に指示し受けることが出来、業務の効率化をはかることが出来るようになったと感じます。今後も安心・安全な検査、治療の提供のために全スタッフでの連携を大切にしていきたいと思います。
当院では大腸内視鏡検査洗腸剤の飲用を自宅または院内での選択にしております。最近では院内下剤を希望する患者さんが増えてきており、部屋の確保や院内下剤の優先度など課題点もみえてくるようになりました。
発表施設の中には、大腸内視鏡検査の洗腸剤の適切な院内飲用の基準判断について考察しており、この学びを今後の判断基準に活かしていきたいと思いました。
当院では看護師・受付が検査説明及び下剤説明を行っております。
院内下剤を勧める基準として、初めての検査、事前説明に来院出来ない、説明時の理解度、高齢、ADL低下、便秘症状、住まいが遠方、希望者に対して院内下剤をお勧めしております。
患者の理解度、精神状態、服薬状況、腹部症状、ADL、生活背景を判断する必要があり、日々の説明の中でその場で判断する難しさも感じます。安全に下剤飲用が行われ、円滑に検査が出来るためにも判断基準となる指標を表すことが大切になることを学びました。
また、当院の大腸内視鏡検査が出来る判断基準として『排便回数10回以上、便器の底が見える程度』として検査説明を行っております。院内下剤の方には看護師が声を掛け判断し、自宅下剤の方には受付が電話連絡を行い判断しております。目に見えない自宅下剤の方に対し、電話連絡を行うことで患者さんの体調や下剤の進行状況を知ることが出来、円滑な検査が出来ていると感じます。
今回学んだことを活かし、安全・安心、かつ円滑に検査が出来るように今後も取り組んでいきたいと思います。
平澤医師による特別講演では、内視鏡で癌を中心とした診断から治療まで、日常診療で大切になる点について講義して頂きました。
現在健診の普及などから早期がんの発見が増えてきており、発見される癌の6割がステージ1と診断されています。早期がん発見のために、消化器内視鏡では画像強調観察技術NBI(狭帯域光観察)が有効とされています。中でも特に喉頭、咽頭、食道の観察に有効とされ発見率が向上すると言われています。
日常診療ではNBIを含めた拡大内視鏡での観察及び診断が不可欠になることを学びました。従来の白色光による内視鏡観察では判断しにくい病変も、NBIの使用及び拡大観察により粘膜表面の微細な模様や血管構造まで観察することが出来、病変の境界線を明瞭化することで診断精度の向上につながることを学ぶことが出来ました。
この講義を聞きクリニックでの内視鏡検査の役割として、早期発見による予防医療、また的確な内視鏡診断と適切な治療法の選択にあると考えました。
今回の研究会で得た学びを、今後に活かしていきたいと思います。
湘南藤沢おぬき消化器クリニック
看護師 森山